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現在の暮らし向きについて、「ゆとりがなくなってきた」とする回答は舶・2%にのぼる。
その後、ガソリン価格が「原油バブルの崩壊」で急速に下がるという家計にとっての20報はあったものの、世界的な金融危機と景気悪化という、より次元の高い、悪いニュースによってかき消されてしまった感が強い。 訪問留置から郵送へと調査方式が変更されているので単純比較はできないが、これは1998年2月調査で記録した50・8を下回る過去最悪の水準である。
また、1年後の景況感DI(1年後を現在と比べた回答比率の「景気が良くなる」、「景気が悪くなる」)は、▲19・7(前回調査より3.6ポイント上昇)。 こちらは、調査開始以来の最低水準である前回6月調査の45・3から小幅改善しているが、底ぱいに近い状況と言える。
百貨店の婦人服売上高で消費状況がわかるそうした消費の悪化度合いを敏感に反映する数字として、エコノミスト歴約20年の筆者が個人的に注視しているのが、百貨店売上高の内訳の一つ、婦人服売上高の増減である。 特に、「売上高全体よりも婦人服売上高の前年同月比マイナス幅のほうが大きい状態が続く場合は、消費の状況がかなり厳しい」というのが、筆者の見方である。

百貨店業界では昔から、婦人服ではなく、「背広など紳士服の売り上げが伸びてくれば景気回復は本物」と言われている。 紳士服が売れるというのは、家庭内で「消費弱者」になるケースが多い男性が、自分の仕事着にお金を多めに使えるようになることを意味する。
そのような状況は、東京など都市圏だけでなく地方圏でも景況感が十分に改善するといった、景気回復の広がり・浸透を示しているわけである。 しかし、そこからさらに深読みすると、「紳士服まで売れるようになったということは、景気回復がすでに終盤にさしかかっているのではないか」という見方もできる。
事実、日本百貨店協会が発表している全国百貨店売上高で、4半期ごとの紳士服売上高の前年同期比(前年同期と比較できる店舗についてのみ計算した店舗数調整後ベース)を見ると、クールビズ効果があった2006〜719月期に加え、W年113月期および4〜6月期にプラスを記録しているが、景気はその後、98年m旧月期から後退局面に転じた可能性が高い。 どうなっているのだろうか。
図3のグラフで示したが、全国百貨店売上高で婦人服の前年同月比を見ると、2007年7月以降20年川月まで、18カ月連続で前年同月比マイナスを記録している。 20年に入ってからは、うるう年なので2月が1日多いという有利な条件もあったのだが、その2月を含め、百貨店の婦人服売上高は低迷を脱することができていない。
特に、2008年夏のボーナス支給時期とも重なった同年6月の婦人服売上高は、前年同月比▲25・3%という、惨憎たる数字だった。 二桁のマイナスは、前年のうるう年要因の反動で大きく落ち込んだ18年2月以来、3年4ヵ月ぶりのことである。
日本百貨店協会では、「(前年は)6月末にスタートした夏の全館セールが7月の立ち上がりとなった反動減に加えて、ガソリン・加工食品等日用生活材の引き続く値上がり傾向や、株安・年金問題等による先行き不安など個人消費へのマイナス要素が重なり」「天候不順やセール前の買い控えなどもあって、主力の衣料品が一桁減となった」とコメントしている。 要は、2007年には6月25日に前倒しされていたバーゲンセールの開始が、18年は7月初旬にずれ込んだというカレンダー上の要因のほか、天候不順も影響したが、基本的に「悪い物価上昇」など消費を取り巻く悪材料が多いということである。
次の7月は、バーゲン狙いの客を集めて月前半は衣料品を中心に比較的好調に推移したものの、百貨店協会によると、「物価上昇や景気の先行き不安などによる消費マインドの減退から中旬に入って以降は伸び悩み、前年の売上実績には届かなかった」。 婦人服の売上高は、バーゲン効果による押し上げがあったにもかかわらず、前年同月比▲0.9%というマイナスの数字にとどまった。
ミレニァムリテイリングはロイター通信の取材に対して、客のスタンスが「(バーゲンセールの)開始で気に入った物をバツと買う感じから、良い物や必要な物のみを吟味して買うという慎重な消費行動」に移りつつある旨をコメントしていた。 2007年7月に始まった「悪い物価上昇」百貨店で婦人服の売り上げが減少を開始したのは2007年7月で、すでに述べたようにバーゲン開始が6月末になった影響を受けたわけだが、それ以上に重要なことがある。
それは、この〃年7月が、多くのサラリーマン世帯が夏のボーナスを手にした時期に当たっていたということである。 厚生労働省の公式統計(中小企業を含む事業所規模5人以上ベース)を見ると、2007年夏のボーナスは前年同期比▲1.1%で、3年ぶりにマイナスに転落した。
企業業績の悪化を背景に、次の町年冬も前年同期比▲2.8%と、大きく減少した。 20年夏も前年同期比▲0〜4%と減少が続いた。

もう一つ、2007年7月というのは、レギュラーガソリンの小売価格(全国平均)が142141円に達し、9ヵ月ぶりに140円台に乗せた月でもある。 以降、20年7〜8月に180円台になるまで、暫定税率期限切れによる4月の一時的な値下がりを挟みつつもガソリン価格は高騰を続けた。
各種食品の値上げ発表もまた、同時並行的に累積していった。 つまり、11年7月というのは、「悪い物価上昇」が加速していくスタート台になった月なのである。
2008年夏以降の「原油・穀物バブル」の崩壊は、ガソリンなど生活必需品の値下がりに順次つながってくるため、家計にとっては歓迎すべき出来事である。 その一方で、景気後退入り・企業収益の大幅な落ち込みを踏まえて行われる18年春闘では、厳しい結果が予想される。
夏、冬ともボーナスは大きく落ち込むだろう。 消費はなお、下振れリスクが大きい状態が続くことになる。
当深刻である。 こうしてボーナスが減少に転じた上に、「悪い物価上昇」の波が毎月押し寄せてくる事態となって、一般的な家庭で財布のひもを握り「財務大臣」役を務めることの多い主婦層は、「これは大変なことになった」と危機感を強めたに違いない。
ボーナスという名目賃金の目玉部分が減るのと同時に、エネルギーや食品の値上がりが加速するのだから、賃金の目減りはきつくなる。 そうした所得環境の変化を敏感に察知した「財務大臣」は、緊縮姿勢を強化し、ついに「本丸」とでも言うべき、自分のための消費である婦人服向けの「歳出カット」にまで手をつけたものと考えられる。

とすれば、消費悪化の浸透度は、相このように分析すると、「消費の現場としての百貨店はシェアが落ちており、ショッピングセンターなどに入っている衣料品専門店に女性客が流れているのではないか」という反論も聞こえてきそうである。 そこで、日本ショッピングセンター協会が発表しているショッピングセンター(SC)売上高の動きも見ておきたい。
といっても、この統計は婦人服など商品別の統計数値がないため、内訳については協会発表コメントに頼らざるを得ない。


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